50話 時に残酷な願い
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望めるならば
誰にでも優しき世界を
でもそれは――
ままならない現実
「私もこの時間を利用して、マルクトの相違をまとめるよう皇帝陛下に進言してきます。あ、アルビオールはお借りしますよ」
とバチカル城を出たところでジェイドがそう言った。
「真咲はどうしますか?」
「私は、こっちに残ります」
この後のことを思うとルークの側にもいてあげたい。私がいたからと言ってどうかできるわけじゃないけど。まあ、その……正直、たまには一緒にいたいとは思ってはいる。でも、それは優先事項じゃない。私の私用は二の次どころか最終優先でいい。
「そう言うと思いましたよ。では、そちらはお願いします」
「はい」
仕方ないと言った風に笑みを浮かべてジェイドはこの場を離れていった。完全に私の行動パターンは理解してるみたいだ。
「真咲、いいのぅ?」
「いいよ。私が戻ったところで役には立たないよ」
軍事的なことに口出しできる権利はない。私は『一応』マルクト軍所属って事だから。難しい話に口を挟めるような身分じゃない……名前だけの少佐だし。
「さて、と。どうする、ルーク。このまま屋敷に戻るか?」
「うん……」
これからの事を訊ねるガイに対して生返事をするルーク。ティアもアニスも心配の言葉を掛けるけど何を考えているかわかる私には何も言えずただ見つめることしか出来なかった。
「いてぇ……」
黙り込んだままだったルークは急に頭を手で押さえる。体も少し光り、それが誰かがルークに話しかけていると察する。誰かと言ってもそれが出来るのは二人だけなんだけどね。