49話 世界よ一つに
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「……おお。それでやはりあのラルゴという男がナタリアの実の父親なのだな」
「はい、間違いありません」
ケセドニアでナタリアの乳母に聞いた話と先日のラルゴ本人の回答。それらを説明する。真相がわかったことにインゴベルト陛下は何とも複雑そうな表情を浮かべる。
「どうしたらいいのだ……もしも新生ローレライ教団と全面衝突ということになれば、あの子は実の父親と戦わねばならぬ」
今は仲直りをして親子としてやり直しているナタリアとインゴベルト陛下。けどそこに実の父親の存在が割り込む。
「まだナタリアはこのことを知りません。このまま知らせないという方法もあります」
「本当のことを知るだけが幸せとは限らないもんね……」
知らぬが仏という言葉もある。それで済むならそのほうがいいのかも、と思うのは私たちが真相を知るからか。
「俺は……自分がレプリカだって知った時、そんなこと知りたくなかったって……悲しかった。だけど……薄々自分が自分でないことも気付いていたから。何も知らされないままだと自暴自棄になっていたかもしれない。俺とは状況が違いすぎるけれど、俺は……知っていた方がいいんじゃないかって思います」
自分の正体を知らなかった二人。どちらも出生に秘密があった。自分のこと知らぬよりは知っていた方がいいと言う。
「そうだな。確かに知らない方が幸せがあるって事も事実だ。でも俺たちが知っていて、当事者のナタリアが何も知らないって状態は歪んでると思うね」
「……後で真実を知った時がつらいものね」
ガイとティアの言葉に目を伏せるインゴベルト陛下。考えさせてくれと、言う陛下にわかったと返事をして私たちはインゴベルト陛下の私室から退室した。