49話 世界よ一つに
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「みんなだってわかってるだろ。今更預言に頼ってどうするんだ!ユリアは外殻が魔界に落ちるなんて預言は詠まなかった」
「それは預言を守らなかったからだろ」
どこまでいっても預言は地表深く根付いたままのようだ。これには溜息を吐かさざる得ない。
「預言って守るものなのか?守らなければ外れるようなものが預言なんておかしいじゃないか!預言は決定された未来じゃない。未来の可能性の一つなんだよ!」
「お願いです。もう少しわたくしたちに時間を下さい。もしも――そう、もしもなんの解決方法が見いだせなかった時は、新生ローレライ教団に助けを求めましょう」
ルークとナタリアの説得に違いに顔を見合わせる住民たち。まだ納得までに至ってないようだ。
「……ナタリア様。信じてますよ」
「瘴気さえ消えれば、俺たちだって王様たちの政治に口を挟んだりしないだ」
「瘴気でもう何人も倒れてるんです。その上、レプリカってんですか?得体の知れない人間もどきがうようよして、俺らの住処を荒らしやがる」
視線を地面へと落とし、ぽつりぽつりと発せられる言葉。そのうちの最後の言葉にルークが目を見開く。
「あたしたちは、ただ普通に暮らしたいだけなんですよ」
肩をがっくりと落として住民たちはこの場から去っていった。
「人間もどき……か……」
同じように肩を落としてそう呟くルーク。誰よりもその言葉に傷ついたのはルークだ。
「ルーク。彼らは気が立っているだけよ。落ち着いて事態がわかれば……」
「いいいんだ!……いいいんだ」
ティアがフォローを入れるがルークは何度も首を横に振った。誰も慰める言葉も見つからないまま城の中へと入った。