49話 世界よ一つに
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「なあ、レプリカたちが言っているレムの塔ってのは何なんだ?」
レプリカマリィたちといい今のレプリカといい、レムの塔の名を口にしていた。そもそもレムの塔はなにでなんの意味があるのかと、疑問に思うのも不思議ではない。
「魔界に昔からある塔よ。創世歴時代に、外殻大地計画が失敗した場合を想定して、別の星へ行く為の塔だったと聞いているけど……」
創世歴時代のものというのはわかるとして、別の星に行く為のものと聞いてルークだけではなく、ガイやアニスも目や口を開いて驚いている。
「当時としてもかなり無謀な計画だったと聞いているわ」
「創世歴時代でもやばかったなら、空もろくに飛べない現代じゃ夢のまた夢だな」
「じゃあレプリカたちは、その塔から外殻大地にいこうとしてるのかな」
どちらにしても突拍子もない話だ。誰かが溜息にも似た息を吐く。
「そうだとしても、レプリカ全員がレムの塔を知ってるのはおかしいですわ」
「そうですねぇ。ただ製造と同時にレムの塔の記憶を刷り込まれていたのだとすれば……まあ、あり得ないこともないですが」
にっちもさっちもいかない考察が続くがどれもまだ推測の域が離れない。何の材料のないままでは真相を確かめようにも、何ら確信は得られない。
「結論がでないなら、この話はここまでにして陛下のところに行こうぜ」
「そうですわね……」
ただ立ち尽くしていても結論なんてでない。ならば今やるべき事をしようというルークに頷き、私たちは城へと歩き出した。
「……レムの塔」
誰に聞かれるわけにはいかず口内で呟く。この後行くことになる。あそこでは私はきっと何も出来ない。たぶん私の力は邪魔になる。なんと歯痒いものだろう。ただ見守ることしかできないとわかってるのは、耐え難いほど辛い。歯を食いしばる代わりに、拳をぎゅっと握りしめた。