49話 世界よ一つに
夢小説設定
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「おかしいな。以前より人が増えたような……」
バチカルに到着すると、ガイがふいにそう口にした。キョロキョロとあたりを見渡すと確かに人が多い。
「ねぇ。アレってレプリカじゃないの?」
「どうなっているの?どうしてレプリカたちがこんなところに……」
ユリアシティでも見かけたが、バチカルはそれの比ではない人数のレプリカらしき人影があった。インゴベルト陛下の元に行く前にまずは街の様子を見てみようとというルークの言葉に全員で頷く。
「な、なんだ!?おまえは一体誰だ!く、来るんじゃない!」
街の中を歩いて回っているとふと目に付いた二人の男性が向かい合って立っていた。すると片方の男性がもう一人の男性を怒声を挙げながら殴りつけた。
「何をしてるんだ、やめろ!」
殴られた人は地面に尻餅を付きそのまま立ち上がらない。そんな彼の側に私たちは駆け寄る。
「あ、アンタ!そいつは化け物だ!触るんじゃない!」
「はぁ?化け物って……」
殴った方が酷く顔色が悪くどこか怯えていた。突然目の前の人を化け物という彼にみんなが訝しげな表情を浮かべる。
「本当なんだ!そいつは二週間前、預言を詠んでもらった帰りに死んだ俺の親友だ!いや、あいつは死んだんだから、そいつは偽物だ!だがそっくりなんだ!」
喚き叫ぶ彼に私たちにも動揺が走る。ぽつりとルークが、レプリカか……と呟く。
「落ち着きなさい!この方は化け物ではありませんわ」
「と、とにかく!そいつは変なんだよ!」
ナタリアが諫めるが彼は言い逃げるかのように走り去っていった。
「れむ……れむのとう……」
もう一人のほう……レプリカも虚ろの目のまま、この場からゆっくりと歩いて去っていった。私たちは彼が見えなくなるまで黙って見送っていた。