49話 世界よ一つに
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「真咲……話してるところ悪い……」
小さく唸るラルゴ。睨み合う私たちの間に、控えめな態度でルークが割り込む。
「ラルゴ……いや、バダック」
複雑そうな表情を浮かべてルークが一つの名を口にする。ラルゴが息を飲み、私たちの後方からも緊張が走る……ただ一人を除いて。
「……その名はとっくに捨てたよ。妻の眠るバチカルの海にな」
自身のズボンのポケットにしまっておいたロケットをラルゴへと投げる。そのロケットを慈しむようにラルゴは見つめる。本来ならチーグルの森でアリエッタとの決闘の時に渡すはずだったもの。アリエッタとの決闘を回避した今、ここでシナリオが改変されたんだ。
「なるほど。おまえが拾っていたのか」
きっと探したのだろう。けど雪崩に巻き込まれた際に雪に埋もれてしまったと諦めたのかもしれない。ただそれを運良くなのかルークが拾った。
「名乗らないのか?」
「名乗ってどうなる?敵は敵。それだけのことだ。坊主は甘いな。次に会うときはおまえたちを殺すときだ」
そう言ってラルゴはロケットを懐へと仕舞い去っていった。
「ルーク。どう言うことですの?」
「ごめん。今は話せないんだ」
一人話についていけていないナタリアが問うが、ルークは誤魔化すのではなく今は話せないと謝る。
「……それなら、いつかは話して下さいますのね」
「……ああ、必ず」
寂しそうだけど、教えてくれるならと小さく微笑むナタリアに微笑み返すルーク。
「……さあ。ここでぼんやりしている訳には行かないぜ。預言会議のためにダアトとユリアシティに行くんだろ?」
少々時間を取ってしまった。みんなに謝罪を入れて、まずはイオンへの報告にとダアトへと急ぐ。