49話 世界よ一つに
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「それでアリエッタを救ったつもりか?」
ずっと黙っていたラルゴがやっと口を開いた。その言葉になんて答えればいいだろう。どの言葉を掛けても彼らには届かないし少したりとも納得しないだろう。
「それをそうと思うのはアリエッタ自身。死ぬことだけが救いだと思いたくないだけ」
死んでしまえばそれまで。苦しいことからも逃れられるかもしれない。何もかも無くなってしまえばそれ以上苦しむことはないのだから。
「アリエッタは自分で選んだと私は思う。イオン様のことを知ってもなお、今のイオン様を守ってくれると言ってくれた」
もしかしたら、偽物!と言って殺されてたかもしれない。でもアリエッタはイオンを守ってくれてる。また連れて行かれたりしないようにと。
「おまえの目的は何だ?」
ラルゴがそんな事を聞いてくるとは思わなかった。彼らからすれば全てを知る私が一番邪魔なのだろうから仕方ないか。
「ただ、戦いなんてなくてみんなが幸せになれますように」
綺麗事だってわかっている。でも綺麗事も言えないで何かを為す事なんて出来ない。自分が決めた道を進むって決めたのだから。
「そんな世界などない」
「出来なくない。その努力をせず、諦めたあなた達が言う資格なんてない!」
彼らの生い立ちはわかっている。辛く悲しかっただろう。でもそんな生い立ちを持つのは彼らだけじゃない。世界中を探せばたくさんいる。その辛い記憶を乗り越えようとする者だっている。
「預言があろうが無かろうが、同じ事が起こってたかもしれない」
全てを預言のせいにするのはけして正しい判断とは思えない。
「ラルゴにはラルゴの、私には私の意志がある」
誰が正しいのかなんて私にはわからない。だから己の道を行く。それには文句は言わないけど、関係ない人を巻き込むのはお門違い!とラルゴの胸元を指さす。