48話 彼らの標の向く姿
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「そんなことはない。我々はモース様に求められて誕生した」
ある意味ではそうなんだろう。彼らからすれば望まれたこと。
「……姉上。あなたがそう仰るならそうなのかもしれません。でもあなた方が住むという天の大地が完成したら、被験者たちは殺される」
「我々を望まぬものが殺されようと我々は知らぬ」
ガイが説得しようとするが、レプリカたちは誰が死のうとどうでもいいという風に言い放った。
「馬鹿なことを言うな!被験者たちがいなければ、俺たちは……レプリカは生まれないんだぞ!」
「だからとうだというのだ。生まれた以上被験者に遠慮することなどない」
激怒するルークに対してレプリカマリィは淡々とそう返した。その言葉にルークは目を見開いて驚き、言葉を失う。そんなルークにかティアが小さく息を吐く。
「ルーク。あなたは少し彼らを見習った方がいいわね」
ティアの言葉にも驚き、えっ!?と声を上げる。彼らに加担するのかとも取れる発言にルークは少しだけ瞳を揺らす。
「自信だよ。アッシュがおまえに苛つくのも、ピオニー陛下への苦手意識も、そいつが欠けてるからだ」
「傲慢なまでの生存本能……と言ってもいいわね――もっとも昔のあなたにはあったものよ」
ガイとティアの言葉に誰もが納得した。生きるという本能をきちんと持っている。ルークのように死んだ方がいいとは思わず、被験者を殺してでも生き残ろうとする心を持っている。
「我々を傲慢だというのか」
「ええ、そうよ。あなたたちの言葉、いつかあなた自身に跳ね返るかもしれないわ。その時も同じ事が言えるかしら」
ティアを睨みつけるマリィ。ティアも負けじと睨み返すとほぼ同時に爆発音のようなものが鳴り、地面が大きく揺れた。何とか踏ん張り倒れないようにする。