48話 彼らの標の向く姿
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「これはフォミクリー……?驚きました。かなりの大規模なものです。しかも稼働しています」
アリエッタの教えてくれた方へとやってくれば、そこはヴァンたちが本拠地だった。その中には大きな音機関。それを見てジェイドは驚きの声を上げる。
「そうか、ここでレプリカを作ってるんだな」
「イエモンのおじーちゃんたちも、ここで作られたかもしれないんだね」
巨大なフォミクリーの装置を見上げる。いけないものだとわかってるけど、全てを否定できない。フォミクリーを否定したら彼らを否定することになるから。
「止めましょう。第七音素の減少が、少しはマシになるかもしれません」
「ああ。これ以上レプリカを増やしちゃ駄目だと思う。レプリカなんて……俺たちだけでたくさんだ」
俺たち、というのはイオンも込みという意味か。本来なら俺一人だったのに、私がイオン生存を望んだから。
「それでも私はルークやイオン様に出会えて良かったと思うよ」
「真咲……ありがとう」
出会ってしまった。知ってしまった。彼らは作り物なんかじゃない。ただ一人の人間だと、私は思う。何も知らない人から見れば気持ち悪く思おうとも。ジェイドが音機関を操作して装置を止める。
「やめろ!どうしてそんなことをする?我々の仲間が誕生するのをどうして拒む?」
「我々はやがて天の大地に新しい住処を与えられる」
止め手間もなく、音機関脇の階段からレプリカたちが降りてくる。ガイのお姉さんであるマリィや先日亡くなったイエモンさん。直接知らないマリィはともかく、顔を見知っているイエモンさんを見るのは辛い。
「あなたたちはそれでいいんですか。望まれて誕生した訳じゃないんですよ」
たくさんのレプリカたちを見てルークは顔を歪める。その言葉を口にするのは苦痛で仕方ないだろう。