48話 彼らの標の向く姿
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「移動施設?陸艦とか、馬車とか」
「わかりません。ただもっと巨大なものでないとあれだけの第七音素を消費するのは不可能だと思います」
少なくとも陸艦より大きな物。それを知ったときのみんなの反応は凄いんだろうな。私も実際に目にしたら驚くんだろうな。
「移動に決まった法則はないのですか?」
「現在調査中ですが海を移動していることは確実ですな」
海を移動する巨大な物。想像つかないと言った風に皆、眉を顰める。
「戦争も起きていない状態で第七音素を大量に使うのは、フォミクリーぐらいものです。気になります」
「ジェイドがそう言うなら、フォミクリー施設の可能性が高いな」
海を徹底的に探しましょうと言うティアに私たちは頷く。テオドーロに礼を述べて会議室から出る。
「けどフォミクリー施設だとしても移動するつーのは変だよな」
と、後ろを歩く私に視線を向けるルーク。まあ言いたいことはよくわかるけど。ティアに、ルーク!と怒られ、ゴメンと謝るルーク。うん、可愛いから許そう。
「すぐにわかるよ」
アルビオールでなら探すのは難しくない。空からならあっりと見つかるはず。
「真咲、本当にツラくないの?」
ふと唐突にそう訪ねてきたのはアニス。何が?と首を傾げると、まん丸の目をこちらへと向ける。
「だって知ってるのに話せないって」
正確には話したくないんだけど、アニスたちから見るとどちらもあまり変わらないのかもしれない。
「私は標だから」
話してしまうのは簡単だと思う。けど私の目指すのは私が知るものとは違う未来。あの未来は世界は平和になる。けどみんなが幸せになれるわけじゃない。傲慢だと言われようとそれを止めるつもりはない。意味がわからないというか、納得できないでいるアニスの頭を撫でる。