48話 彼らの標の向く姿
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「……わかりました。ローレライ教団のほうはイオン様にお任せします。しかし、監視者の鏡のような男だったモースが、このようなことになってしまうとは……残念です」
ユリアシティに向かい、テオドーロへの謁見を申し出ると思いの外すんなりと許可が下りた。そのまま会議室へと通された。そしてイオンにした説明を彼にもすれば、難しい表情をして小さく息を吐いた。
「お祖父様。モースはエルドラントがどうとか言っていたわ。何か心当たりある?」
バチカルでモースが去り際に放った言葉。テオドーロならもしやと思ったのかティアが訪ねる。
「エルドラントというと古代イスパニア神話に出てくる栄光の大地ぐらいしか……そうだ。エルドラントのことはわかりかねますが、少しおかしなことが起きています」
何故モースがそれを口にしたのか、何を指しているのかわからないが、他におかしなことがあると。何のことだと一同顔を見合わせる。
「ただでさえ第七音素が減少傾向だというのに、第七音素が異様に消費されている地点があるのです」
「それってどこなんですか?」
まさかと思ったけど、十中八九彼女はそこにいるだろう。そこには行かざる得ないが、心配しなきゃならないようなことは起きないとは、思う。
「一つは第八セフィロトの付近の海中だ。調査隊を派遣しましたが、その時点では何もなかった」
もう一箇所は現在調査中だ。と言う。その言葉にジェイドが反応する。訝しげな表情を浮かべて。
「追跡?場所を特定するのに追跡というのは解せませんね?」
「追跡といわざるを得ないのですよ。何しろ場所自体が移動しているようなので」
困ったと言いたげに肩を竦めるテオドーロ。追跡しても移動しているために見つけられない。正体不明なままではただ訳もわからず第七音素を消費させるだけだ。