48話 彼らの標の向く姿
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「……シンクが、ですか」
ベルケンドで聞いた旅の預言士を追っていた話をまずした。本当はナタリアの実父の話を聞きに行ったのだけどナタリアに誤魔化すために言ったデタラメが本当になりその預言士と遭遇した。しかしその預言士はシンクだった。新生ローレライ教団を作りモースを導師とした。ただモースはディストの手によって異形の形に変わってしまった。とにかく私たちがダアトを出てからのことを報告するとイオンは表情は一気に暗くなった。
「アスターには注意を促してきた」
「わかりました。教団からも新生ローレライ教団とは無関係のことを通達します」
ローレライ教団から通達したところで預言を求める人たちは聞き入れないだろう。導師から何を言っても預言に頼り切った人たちは導師の言葉より預言を信じるだろう。
「イオン様。アリエッタは?」
イオンのことはアリエッタに任せた。なのにアリエッタの姿は見当たらない。元の物語とは違うから次の場所へは行かないと思っていたけど。別用でいないのかな。それならいいんだけど。
「二、三用をお願いしたのですが、その後にどうしても行きたい場所があるといいまして」
少し迷いましたが、アリエッタなら大丈夫だろうと許可を出しました。仕事の後に行くと言うから数日は戻らないだろうと。やっぱり行き先は彼処だろう。
「私たちはこの後、ユリアシティに向かいます」
「テオドーロのところですか。そうですね、お願いします」
向こうにも何か情報があがっているかも知れない。ユリアシティの研究者はまだベルケンドで調査しているはずだから。イオンの生死でここまで変わると次の展開が読みづらい。それは私が望んだ結果なんだけど。
「真咲……よろしくお願いします」
何を?、と聞くまでもないだろう。わかりましたと彼を真っ直ぐ見て頷いた。