48話 彼らの標の向く姿
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「……わかりました。今後預言士には細心の注意を払いましょう」
アスターに一通りの説明をする。少し間を置いて頷くアスター。旅の預言士が教団の人間ではないと聞いて驚いたのか、また別のことか。
「頼むよ。それで……」
「ナタリア様の乳母でございますね?イヒヒ。今呼びましょう」
屋敷についてすぐにその事は願い出ていた。ただその前に預言士について話しておいた方がいいということで話をしていた。どちらかと言えばそちらの方が重要だからだ。
「これはルーク様!」
暫し待つとアスターの部屋へと入ってきた初老の女性。ルークを見るなり驚きの声を上げて深々と頭を下げる。
「あなたに見せたい物があります」
ルークがズボンのポケットからロケットを取り出し乳母の女性に見せる。
「これは、バダックの!」
一目見るなりすぐにそれが誰の物かを口にする。ルークを見たとき以上の驚きの声を上げる。信じられないといった風に口元に手を置き、何度も瞬きをして。
「バダック?」
「メリルの父親……シルヴィア……私の娘婿です」
問い返すティアに女性は表情を暗くする。昔を思い出してのことだろう。
「そのバダックさんについて教えてもらえませんか?」
ナタリアの本当の父親を知るために、ルークは女性に問う。
「バダックは砂漠越えするキャラバン隊の護衛を生業にしていました。気のおけない仲間には砂漠の獅子王と呼ばれていたとか。身の丈が大きくて心の優しい人でしたよ」
懐かしそうに話す女性。獅子王と黒獅子……それに巨体。ほぼ間違いないだろうと皆頷く。
「それでその人バダックさんは今どこに?」
「娘のシルヴィアが亡くなってから姿を消してしまいました。それきり会っていません」
首を振る女性にお礼を述べる。アスターにも礼を述べて私たちは屋敷を後にした。