48話 彼らの標の向く姿
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「ナタリア。すみませんがアニスを連れて気晴らしにバザーにでも行って下さい。私たちは預言士に気をつけるようアスターに伝えてきます」
ジェイドがナタリアに願い申し出ればナタリアはわかりましたわ、と頷いてアニスを連れて行く。そんなアニスは振り返りながら無言でジェイドを睨む。
「うまいなぁ、ジェイド」
「でもダシにされてアニスが怒っていたわ」
元々はナタリアの実父についての情報を得にケセドニアにはやってきた。旅の預言士についてはある種、偶然である。その偶然を上手く利用してナタリアにこの話を聞かせないようにした。
「責任はジェイドが取ってくれるだろ。それに、落ち込んでいるのは本当だろうし」
「責任はさておき、アスターのところに行きましょうか」
と歩き出すジェイドの背を私たちは苦笑するしかなかった。まったく、質が悪いにも程がある。
「私……何か間違ったかな?」
「いや、真咲は問題ないと思うぞ」
はぁと息を吐いてガクンと肩を落とす。わかってはいたけど、こういう人だとわかっていたんだけどでしやっぱり早まったかなと思うこともある。
「……とりあえず」
「真咲?」
私の見る目はともかく、パーティで一番の大人なんだからね。先を歩くジェイドへと小走りで近寄る。隣を歩く私に少しだけ顔を向ける。近寄ってくると思わなかったのか数回瞬きをし驚きのような表情を浮かべている。
「……どうかしましたか?」
珍しい。むしろ初めてかもしれない。私を警戒するなんて。私がまだ自分のことを話す前ならいざ知らず。
「そうですね。大人の誠意ある対応を期待してますよ?」
「……まったく、あなたには適いませんね」
わざとらしい息を吐いて更に先に行ってしまった。謝ってくれるかどうか別として。まあ、いいということにしておこう。