48話 彼らの標の向く姿
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「愚問だね。たとえアンタがボクらの未来を知っていたとしてもね」
「……わかった」
彼らは何も信じない。だから世界を壊そうとしている。そんな彼らに私から言えることはまだない。
「さあ、邪魔が入ってしまったが、預言を望むものはついてこい」
このやり取りを見続けていた人々に声を掛ければ、人々はシンクについて行く。わらわらと移動しようとする彼らの前にアニスが立ちはだかる。
「待ちなさい!」
行かせないと両手を広げるが、人々は俺たちは預言を知りたいんだ!とアニスに退くように叫ぶ。今まで縋っていたものが急に無くなった。けどそれを与えてくれるという者がいる。それを知っているから強くも言えない。
「アニス。ここは見逃して下さい。あなたならわかってくれますね」
イオンに似せた口調で、普段のシンクがけして見せないような表情で言う。一瞬アニスも目を見開くがすぐにシンクを睨みつける。
「イオン様は絶対にそんな事言わない!」
きっと未来が変わったからアニスはそう言えたんだ。イオンが亡くなっている未来では罪悪感から何も言えなくなってしまう。とは言え全くショックを受けていないわけじゃないだろう。
「チッ!まあいいさ。どちらにしてもボクと戦うってことはイオンと戦うってことさ」
忘れないでよね!とそう言い放ってシンクは人々を連れて去っていった。人々に関しては止めても無駄だと思い追いかけることはしなかった。
「あいつ!酷いことを……」
「アニス。気にしては駄目よ。シンクとイオンは違いますわ」
「そうさ。ルークとアッシュが違うようにね」
傷心のアニスにすかさずフォローを入れる三人。全然気にしてないと元気を装うアニスは実に痛々しい。ジェイドにまで無理をするなと言われてアニスは俯いてしまう。こうならないで欲しいと思ったけど、イオンの命が失われなかったとは言え、殺してしまうかもしれなかったと思えば辛いものだろう。