47話 指すべき場所は何処にある
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「どうしたルーク?おやナタリアの姿がないが……」
インゴベルト陛下の私室へと入ると彼は一人だった。来客がルークと知り、尚且つ一緒に旅だったはずのナタリアの姿がないことに首を傾げる。
「陛下。これを見て下さい」
神妙な面持ちで、持っていたロケットをインゴベルト陛下に手渡す。受け取ったロケットの中身を見て陛下は目を見開く。
「俺、赤ん坊の頃のナタリアってわかりません。でも陛下なら……」
「……これはナタリアだ。恐らく間違いないだろう。どこで見つけたのだ」
疑惑は確信へ。そして、なぜこんなものをルークが持っているのか。
「ロニール雪山です。六神将と一緒に雪崩に遭った場所でした」
「それ……前に見たことあるかも。チラッとだけど。たしかラルゴが……」
ルークの後ろから見ていたアニスが二人の側に寄りそのロケットをよく見る。そしてアニスの発言に全員が驚き目を見開く。考えているとおりだとしたら、六神将で条件に合うのはラルゴくらい。
「……ナタリアの乳母が暇をもらったそうだ。今はケセドニアのアスターの元で働いてるらしい」
陛下からロケットを受け取り、それを仕舞う。ナタリアに言うのか?と陛下の問いに、ルークは逆にどう思うかと問い返す。内容が内容なだけに迂闊に話すことは出来ないだろう。
「……わからん。知らせてやった方がいいのか……しかし相手がラルゴなのだとしたら ……」
「はっきりした答えが出たら一度陛下のところへ伺います」
まずは事実確認をしてからと言うルークに頷く陛下だけど何か腑に落ちない表情を浮かべる。
「どうしたのだ。陛下などと、おまえらしくない」
「……俺、レプリカですから」
と泣きそうな顔をするルークに陛下はいらぬ気遣いだ。わしにとってもおまえは甥には違いなのだぞ。と優しく微笑む陛下にルークは小さく返事をし、私たちは陛下の部屋を後にした。