47話 指すべき場所は何処にある
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「あ、あのさ。俺一人で陛下に会いたいんだけど……」
「まあ、どうしましたの?わたしくたちが一緒では不都合でもありますの?」
城の前へと辿り着くとまたルークが立ち止まる。ここまで来て一人で会いに行くというルークに怪訝な面持ちを見せるナタリア。それもそうだろう。実のではなくても、家族として再度歩み始めたナタリアとインゴベルト陛下。そんなナタリアが自分の住む城の前に来たというのにルークだけと言われたら納得はいかないだろう。
「そ、そういう訳じゃないけど……」
しどろもどろするルーク。これに関してはちゃんと助けが入るから放っておこう。傍観していた方が面白い。何かを察したらしいガイの口元に笑みが見えた。
「ははは、馬鹿だなぁ。おまえは嘘が下手なんだから正直に話しちまえよ」
困惑するルークにガイがいきなり笑いながらそういうとルークが驚いて彼の名を呼ぶ。突然のことに当のルークが一番状況を飲み込めないでいる。
「実はね、ナタリア。こいつはピオニー陛下から私的な手紙を預かってるんだ」
「まあ、ならどうして、それを隠しますの?」
ピオニーの名前と私的な手紙に秘密裏に、と聞いてジェイドもニヤリと笑う。マルクトの人間って悪巧みが上手いのかな。
「実はここだけの話しですが、陛下はあなたを王妃にとご所望なんですよ」
如何にも隠してますよっていう風に声も小さめで言う。するといつでも真面目で本気なナタリアの頬は赤くなる。
「わ、わたしく!?わたくしにはルークが!あ、でもアッシュもいますわね。この場合どうなるのでしょう……」
慌てふためくナタリアと少し面白くなさそうなティア。ナタリアをずるーいずるーい、とポカポカ叩くアニス。話がどんどん進んでついて行けていないルークの両腕をジェイドとガイが取り城へと引きずっていく。ナタリアにはそう言うことだからここで待っていてくれと頼み私たちも城の中へと入っていった。