47話 指すべき場所は何処にある
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「そういえば、勝手に預言を詠んでるっていう預言士はどこに行ったんだろう」
「また別の街に行っているのかしら。モースのこともあわせて、イオン様に報告したほうがいいかもしれないわね」
本来ならここは教団への報告というところだったけど私がイオン生存への道を取ったから、会話が変わっている。間違ったことはしてないと思うけど、瞬間的に考えてしまう。
「とりあえずいつまでもここにいても仕方ありません」
どこか移動しましょうと促し、港を後にする。天空客車に乗り、街の入り口の方へと来たときだった。ルークが立ち止まったのは。
「ごめん。バチカルに来たついでに陛下に挨拶していきたいんだけど……」
「あら、そうですわね。参りましょう」
ああ、そういえば忘れてた。不本意ながらモースのことでいっぱいだった。内容は真面目なことなのに、な。ルークがインゴベルト陛下に挨拶に行きたいと言うと、名案と言わんばかりに手を打つナタリア。行きますわよ、と先頭を歩き出す。
「えっと……頑張れ?」
「……これも知ってんだな」
さっきジェイドがしてくれたように、ルークの肩をぽんと叩く。ナタリアに知られたくないからか、小声で返すルーク。返事の代わりに小さく微笑む。
「まあ大丈夫だよ」
城に近づくにつれてそわそわと落ち着きが無くなるルーク。私が言っても心ここに非ずなのか生返事しかしない。
「ルークどうしたの?」
「緊張、してるのかな?」
自分がレプリカだから本当の伯父と甥じゃない。国王陛下とレプリカルークとの距離でいるから前のように接していない。一歩どころか二歩も三歩も下がっている。崩落後以降は"伯父上"とは呼ばず"陛下"と呼ぶようになった。