47話 指すべき場所は何処にある
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「それは第七音素を暴走させないため、モース様のお体がもっとも相応しい形をとろううとしていまで」
ご安心下さい。力は導師そのものでございますとも!と演技がかった言い方をする。
「……おおお!これは……!確かに力がみなぎってくる!これは始祖ユリアのお力か!わしはこのままエルドラントヘ向かう。おまえも後で来るがいい」
上機嫌のモースはそのまま上空へと飛んで行ってしまった。まだ事態を受け入れられないルークたちは驚愕の表情のままだ。
「人間があんな姿になっちまうのか……」
モースのいた場所を見つめたままぽつり呟くガイ。音素を受け入れなくてただ死んでしまうならともかく、人の姿から魔物へと変貌してしまうなんて、そう簡単には受け入れられないだろう。もし自分が…なんて考えたらゾッとする。
「素養のない第七音素を取り込めば、いずれ第七音素との間に拒絶反応が起こり、正気を失います」
「モースは導師の力をほしがってましたから、本望でしょう。ま、私は実験できれば誰でもよかったのですがね」
モースがいなくなった途端、笑みを消してあっけらかんとそう言ってディストも譜業椅子でこの場から去っていった
「……モースの奴、あんな化け物になっても預言を守らせたいのか」
預言に囚われた信者のなれ果て。いや、もっと酷いことになる。一瞬の躊躇もせず止めればよかった。あんな姿に、終わりを迎えるくらいなら。
「あなたが気に病む必要はありませんよ」
ギリッと奥歯を噛むと、ぽんっと私の肩に手を置くジェイド。変えれるものなら変えたかった未来は、死んでしまうはずだった仲間だけではなかったはずなのに。私情というものはなんて残酷なのだろうか。嘆息した私はただ、はいとしか答えられなかった。