6話 消せない傷痕
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けど―――それでも。私は、決めたの。それがどんなに辛いものでも。
「……人、殺しちゃいました。きっと帰れても、その罪に耐えられないと思うんです」
視線を地面に落とした。ジェイドのあの赤い瞳を見て言える自信はなかった。決心を揺さぶられそうで。
「私の世界では『殺人』は重罪です。たった一人殺しても『死刑』になることもあるほどの重罪です」
そう――帰りたくても、帰らないと決めた理由。戻ったときに、この世界での記憶がなくならないとは限らない。違う世界での出来事とはいえ、平和なあの世界ではきっと耐えられない。
「だから―」
「分かりました。ですが、無理はしないで下さい」
戻らないと決めたと、続けようとしたらジェイドの言葉によって止められた。それ以上言うなってことなのかな。
「(そんな世界から来たというのですか?)」
ジェイドは黙って私を見つめている。――正直、何度されても慣れません!はっきり言って、恥ずかしいんです!!そんな人の心情を知ってか知らずか、まだ見つめている。普通の人ならねまぁいいんだけど、自分の顔がどれだけ良いのか理解してくれないかな。
「左腕のほうはどうですか」
「…痛いです。自覚すると、さらに」
いきなりだったが、言われるまで忘れていた。思い出したらズキズキと痛み出した。カッターや紙で切るだけでも痛いんだから、剣で斬られたらもっと痛いに決まってる。
「ティアが目を覚ましたら、譜術をかけてもらいます」
「そうして下さい。私は朝食の支度をしますので、あなたはもう少し休んでいなさい」
ジェイドはそう言って立ち上がる。
「手伝います」
私も立ち上がって、ジェイドを追いかけた。じっと、私を見つめたが、何も言わずにそのまま歩き出す。それはいいってことだとね?
朝食の準備が出来る頃、ルーク以外の全員が起きてきた。起きてきたティアに腕を治療してもらい、ルークを無理矢理起こして朝食を頂いた。後片付けが済んだ後、私達はセントビナーへと歩き出した。
もう、戻れない
たとえ大切なものを失っても
決めたんだ
彼らと行くことを