46話 それが私の望みだから
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「確かに気になるな。もし本当にレプリカ情報を抜いてるなら、やめさせるべきだ。もう俺とアッシュみたいな関係は生まれない方がいいに決まってる」
「スピノザから話を聞いたら、旅の預言士ってのを探してみるか」
第一音機関研究所へと向かう。歩き出すと、誰か私の服の裾を引っ張る。誰だろうと振り返ると、それはアニスだった。
「どうしたの?」
何かあったのかなと、アニスの横につく。
「真咲は……これをやったのが誰なのかも、知ってるの?」
「知ってるよ。勿論教えないけど」
何処まで知ってるか、それはきっとヴァンですら知らないだろう。これだけはジェイドであろうと誰であろうと教える気はない。
「無知は罪と思ったことは多々ありますが、知りすぎると言うこともある意味罪に近いのかも知れませんね……」
ジェイドが眼鏡のブリッジに手を置き表情を隠しながら言うと、その意味をみんなは理解できなかったようで、互いに顔を見合わせながら首を傾げている。知っているけど言えない。言えば助けられる命を言わないでいて見殺しにしてしまうかも知れない。そう言うことなのだろう。
「……それでも、言えません」
イオンやフリングス将軍やアクゼリュスの人たちみたいに助けられた人たちもいたけど、もしかしたら物語の通り、死んでいたかもしれない。けど私は預言になるつもりはない。
「言わなくていいよ。俺たちの未来は俺たちが守って俺たちが決める」
だからこの先の事なんて言わなくていいさ。漸く理解したのか、先頭を歩いていたルークが立ち止まり私へと振り返る。
「そうだぜ」
「わたくしたちはそうすることを決めましたもの」
彼に出会えてよかったと何度思っただろう。彼らからすれば私は裏切り者に近いのに。みんな、本当に人が良いんだから。