46話 それが私の望みだから
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「上手く言いくるめましたね」
「人聞きの悪いことを言わないで下さい」
アリエッタにはトリトハイムにある程度の説明をしに行かせた。言いくるめたなんて全くもう。
「アニス……」
みんな何て言っていいのかわからないみたいだ。物語上なら私たちはこの場にはいなくて、ルークとアニスの二人の会話。
「……言い訳はしないよ……全部私が報告してたんだ……」
「仕方なかったんだろ?オリバーさんたちを人質に取られてたんだから」
アニスのせいではないと言うルークにアニスは何度も何度も首を振る。まるで全ての責任は自分にあるとでも言うように。
「……パパたち、人がいいでしょ?私がうんと小さい頃、騙されてものすごい借金作っちゃったんだ。それをモースが肩代わりしたの。だからパパたちは教会でただ働き同然で暮らしてたし、私も……モースの命令には逆らえなかった……」
小さな肩をがっくりと落とし、ポツリポツリと話し出す。アニスがお金に執着するのもそこからだろう。
「ずっと嫌だった……イオン様ってちょっと天然って感じで、騙すのつらかた……だけど私……パパもママも大好きだったから……」
だから……と少し目尻に涙を溜める。イオンの方をちらりと見て、視線を床へと落とす。どんなに大人ぶっていてもアニスはまだまだ親に甘えたい子供なんだ。
「アニス……偉かったな」
「偉くない!全然偉くない!私……私……イオン様を殺しちゃうところだった……!」
ルークに抱きついて泣き出す。ずっと我慢していたからか肩を大きく震わせるアニス。
「もう大丈夫ですよ。僕はこうして生きています」
「ごめんなさい!イオン様、ごめんなさい……」
泣くアニスの頭を何度も撫でるイオン。その度に大丈夫大丈夫、と優しく言う。アニスが泣きやむまで、イオンはそれを続けた。