46話 それが私の望みだから
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「……聖なる焔の光は穢れし気の浄化を求め、キムラスカの音機関都市へ向かう。そこで咎とされた力を用い救いの術を見いだすだろう……」
イオンが詠むはずだった預言の全て。辺りはただ沈黙だけが流れる。
「これが、あなたの知りたかった預言の全て」
「う、嘘だ!嘘を言うな!貴様の言うものが正しいわけがない!」
モースは一歩二歩と後退し、信じないと首を振る。その間にルークたちはイオンとアニスの側により、私の側にはジェイドがやってきた。
「導師よ!も、もう一度詠むのだ!繁栄の預言を!」
「預言預言預言!馬鹿の一つ覚えみたいに!そんなのが何だって言うんだ!」
預言に縋るモースにルークがキレる。彼もまた預言に振り回された人間の一人。人の命よりも預言を優先するモースに、この場にいる者は誰も同意しないだろう。
「馬鹿を言うな!人類が存続するためには預言が必要なのだ!」
「そんものがなくたって人は生きていける!」
現にこの一月の間、預言を廃止しても人々は戸惑いながらも生活してきた。私も三つの街を見てきたけど、預言がない以外はみんな普通に生活していた。
「預言の通りに生きれば繁栄が約束されるているのだ!それを無視する必要があるか!私は監視者だ!人類を守り導く義務があるのだ!私はこのレプリカ共を使ってユリアの預言通り、必ず戦争を引き起こしてみせる。それこそがただ一つの救済の道だ」
預言を廃止に導いた私たちを親の敵のように睨みつけるモース。モースを囲むように集まってくるレプリカたち。軍人ではない彼らと戦うのはとナタリアが零す。
「その人たちは、指示する人がいなければ危害を加えません。私が保証します」
「ここはモース様を見逃して下さい。そうすれば彼らも大人しく引き下がります」
モースを捕らえるには格好の機会。だけどここでレプリカたちと戦うわけには行かない。後のことを考えるならば、それは得策じゃない。