46話 それが私の望みだから
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「……僕は、詠まなければならないんです……」
「そうだ!導きの標などに構わずそれを詠むのだ!」
か細い声ですみませんと呟いたイオン。そしてまた譜石を詠もうとする。
「それをイオン様がする必要はありません!その為に私がいるんです!」
この為に自らを実験台にした。それは成功し、これから起こる事を食い止められる。こんな事のために、モースの馬鹿の為に散らしていいものではない。私の言葉が届いたのか、イオンの肩がビクッと震える。
「そんなにその預言が知りたいなら、私が教えてあげる」
私は人が思うほど寛大じゃない。この場面を思い出すだけでも胸が苦しくなるし、モースが憎くて仕方ない。でも今はそんなことでイラつかせている場合じゃない。
「……やがてそれがオールドラントの死滅を招くことになる」
イオンが語るはずだった惑星預言。けしてモースが望んだ内容じゃない。それを思い知らしめないと行けない。こんな預言のために一つの命を犠牲にするなんて馬鹿げてる。
「真咲!イオン!アニスっ!」
ちょうどその時、外からこのザレッホ火山の最深部へとやってきたルークたち。
「ND2019 キムラスカ・ランバルディアの陣営はルグニカ平野を北上するだろう……」
今ここで止めてもいいのかもしれない。けど、モースに知らしめるにはいい機会だ。知りたがっていた惑星預言は、思っていたものではないと。
「ND2020 要塞の街はうずたかく死体が積まれ、死臭と疫病に包まれる。ここで発生する病は新たな毒を生み人々は、ことごとく死に至るだろう……」
追いついてきたルークたちもイオンもアニスもモースも黙って聞いていた。私が覚えている全てを語る。こんなものの為に一人の命が散ろうとしていたのだから。