46話 それが私の望みだから
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「……あっ!」
何となくの記憶を辿りながら奥へと進む。ザレッホ火山を回ってる間にもうアニスがイオンを連れ出してると思って急いだらやっぱりすでにいた。そしてイオンの手には譜石が握られていて、詠み始めているのか光っているのか見えた。
「アニス!イオン様!」
オリバーさんとパメラさんにはルークたちが来るまで岩陰に隠れていてもらい、二人……ううん、三人の前へと飛び出す。私の姿に驚いたのか、全員がこちらを向く。
「……真咲……やっぱり、ここに……」
ダアトに着く前に消えた私がここにいる。予想しいていたけど本当にこの火山にいて、誰より早く辿り着いてるのだからアニスが驚くのも無理はない。
「……イオン様。それを詠むのをやめて下さい」
「あなたは……やはりわかってるのですね」
手の中の譜石を見て言えばイオンは目を伏せた。この中で誰よりも私のことを知っているのだから、それを意味しているのが何かを知っていることも知っているだろう。たぶんモースもわかってるのか顔色が悪くなる。
「知ってたの?真咲……知ってたの!?」
私のことを教えたけど、まだ信じきれないのか、理解しきれないのか。動揺を隠しきれない様子でオロオロとしている。私が何処まで知っているとかどうとかそう言う問題ではなく、決死の覚悟でイオンを連れ出した所に私がいることに頭がついていかないんだ。
「イオン様。それを詠んだらどうなるかはわかった上ですよね?」
物語は変わらない。そんな簡単には変わらない。私が変えられたことなんてたかが知れてる。けど、これも何としてでも変えたい未来の一つ。意味を含んだ私の言葉にアニスは更に動揺を露わにし、イオンは私から視線を外して俯く。それを煮え切らない顔で見ているのがモース。