46話 それが私の望みだから
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「……暑っ」
さすがは火山の中。降りたった瞬間から熱気に襲われ、額にはじとっと汗が浮かぶ。こんな中を汗一つ掻かずに平然としてられるあの人は本当に人間なんだろうかと疑いたくなる。ともかく、ここでの目的のためにすぐに方向を確認し、彼らが捕らえられている方を目指す。アニスが連れ出してしまう前に、彼らを助け出しみんなと合流せねばならない。
「――魔物。邪魔しないで!」
急いでいる時ほど邪魔は現れる。杖を握り直し、言葉を紡ぐ。水、氷、雪……水属性のものを想像しながら紡いだ言葉は具現化し魔物を襲う。弱点を突かれた魔物は絶命した。
「どの辺りだっけ?」
画面上からなら上からの映像で見れるのに、こうして自分の目線で見るとわかりずらい。次からはちゃんと周りを見ながら歩かないとな。迷子になるわけにはいかないから。あ、現在進行形でなりかけてたっけ。
「あっ!いた!」
岩場の間を抜けて進めば見えてきた牢屋。その中に二つの影。間違いないと、その牢屋へと駆け寄る。
「オリバーさん、パメラさん!」
私が声を掛けると項垂れていた二人が顔を上げる。私に気が付いたオリバーさんたちは口を開けて驚いていた。まあ、こんな所にいれば驚かれると思うけど。
「あなたは……なぜ……?」
「話はここを出てから。下がってください」
まずは檻を壊して外に出さないと。杖を構えて風の術で檻を壊す。そして中から二人が出てくる。
「あの、一体……私たちがここにいることを?」
「それは私の独自の情報です。それよりあとの話は歩きながらで」
急ぎたいんです。と切羽詰まった風に言うとオリバーさんとパメラさんは顔を見合わせる。ともかくこの場を離れようと先を歩き始める。理由をわからないながらも二人は付いてきてくれた。