46話 それが私の望みだから
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この時を待っていた
未来を覆すため
この杖を取るだろう
私は……
誰も傷つけたくない…
「それじゃあ、私はそろそろ行きます」
上空からダアトの街とザレッホ火山が見えた頃、私は席を立ち上がる。何を唐突にと、みんなが私を見る。
「気をつけて下さいね」
きちんと前もって話してあったからか、快くとまでは行かないけど、小さく微笑んでくれたことに感謝。
「えっ……真咲?ジェイド?なにを……」
当然何のことかわからないルークたちは目をパチクリさせ私とジェイドの顔を交互に見る。時間的に猶予が余りないからみんなには構わず、少し広さのある座席の後ろの方へと移動する。
「――時を紡ぐ者どもよ 我が声を聞き、我が声に答えよ」
杖を出し構える。言葉を紡ぎながらその杖を振るう。言葉を発し杖を振る度に青白い魔法陣が無数に現れ弾けて光る。ジェイドと操縦中のノエル以外は全員何が起こるのかわからないまま見守っている。
「猛々しく煽る紅蓮の元に我を導かん 我が名に於いて命じる 我が名は"真咲" 千里の力を持つ者なり――!!」
最後に杖を床へと打ち付ける。光は私を包み込んでいく。ルークたちが何か叫びながら私へと近寄ろうとするが、ジェイドが手でそれを制す。全く、理解者になってもらえるとなんて心強いのだろう。
「あとで会おうね。行ってきます!」
光と共に消える私の体。視界の端に、青ざめた顔をしたアニスが見えた。きっと彼女には私が何処に向かったのか理解したはず。今、アニスの現状に私が何をしでかすのか不安で仕方ないのだろう。それでも、これは私にしかできないことだから。