45話 終焉への始まり
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「ふむ。ではナタリア。旅立ちを許可しよう」
「ありがとうございます!お父様!」
そう言うことならばと言うことか、インゴベルト陛下はナタリアのダアト行きを許可した。それをアニスが表情を暗くして見ている。
「……ダアトへ行くんだ」
「その方がいいと思うわ。兄さんが生きていたことを知らせた方がいいでしょうし」
トーンを落とした声のアニスに特に気にする様子もなくティアはそう言った。
「それは手紙で知らせてあるよ。だから、やめない?」
手紙、か。イオンにも本当に手紙を送ってるかもしれないけど、たぶんモースに送っているはず。グランコクマで聞いたことを全て報告しているはず。ヴァンならわかってると思うけど私が合流したことも知っただろう。
「なんだ?帰りたくないのか?」
「……ううん。そうじゃないけど」
ルークも気付かない様子だ。とは言え、言うわけにもいかないし。
「ルーク。ナタリアを頼むぞ」
「あ……はい。陛下……」
ルークは自分のことで精一杯か。アッシュのレプリカだということがそうさせてるのかもしれないけど。一歩どころか十歩は下がってる感じかな。
「で、いつ術を使うのですか?」
インゴベルト陛下の部屋から退室し、バチカルの街を歩いていると隣のジェイドが前を向いたまま訊ねてくる。
「ダアトに着く前です」
「イオン様とアニスの為というのは先程のアニスの態度に関係ありますか?」
質問責めのジェイドにため息を吐きたくなるけど、色々と後ろめたい私としては答えないわけにはいかなくてとりあえず頷く。
「私は大丈夫なので、アニスの方を気に掛けて下さい」
「アニスだけならともかく、イオン様も関わるのなら嫌だとは言えませんね」
眼鏡の位置を直しながら、小さく笑う。何が起こるのかは相変わらず言えない。でも協力を願わないと私のしようとしていることは失敗する可能性が多いから。