45話 終焉への始まり
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「しかし、誰がレプリカが我が国の名を騙ってなんの利がある」
「キムラスカとマルクトの関係を悪化させて、戦争を引き起こそうとしている」
「そうか……ディストはモースを連れ去ってたな。モースなら預言の再現するためにキムラスカとマルクトを対立させるぐらいはやりかねない」
そこでまた全員の視線が私へと集中する。その真意を知りたいのだろう。ここは隠しても仕方ないから黙って頷く。それ以外でしっくりくる答えはない。それを更にヴァンたちが利用していることは私からは伏せておいてもすぐにわかるだろう。
「お父様。わたくしをダアトへと行かせて下さい」
「突然どうしたのだ」
インゴベルト陛下の傍らに立つナタリアが意を決した目でそう言うと、陛下は訝しげな表情をした。
「わたしく、あの旅の後、預言のことをずっと考えてましたの。世界はユリアの預言から外れた。にも拘わらず、まだ預言に縛られている者のなんと多いことか」
外れたのにまだ信じる。今まで信じたものが外れた。でも信じることを止められない。それがヴァンのいう預言中毒。やっぱり不安なんだよ……というアニスの言葉に誰も否定しない。
「預言をどうしていくのか国際的な会議を開催するべきだと思うのですわ。今回の件がモースの仕業であろうとなかろうと、これ以上預言を理由に愚かな真似をさせては駄目なのです。そのためには導師のお力が必要なのですわ」
ナタリアの言葉にみんな頷いた。預言をどうにかするにはキムラスカやマルクトだけではなくローレライ教団の最高指導者であるイオンの力が必要不可欠。
「まあ、悪くはないですね」
「そうだな。アッシュがどこに行ったかもわからないし、モースの行方もわからない……」
今出来ることはそれしかない。本当はみんな、私に聞きたいだろう。けど全てを話したときに言った。全てを知っていたとしても何も話さないと、私自身が預言になるつもりはないと。