45話 終焉への始まり
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「ナタリアが戻ってると助かるんだけどな……」
「呼びまして?」
バチカルの城の前で立ち止まり、ふーっと息を吐くルーク。その背後からタイミングよく彼女の声がした。
「うわっ!?おまえ、なんでここに……」
肩をビクッと震わせ、大きな声をあげるルークにナタリアはケセドニアの視察を終えて戻ってきたところだと言う。そしてジェイドの姿を捕らえるとツカツカと近寄り胸ぐらを掴んだ。
「おや……!」
「まあ、相変わらず涼しい顔で!どういうことですの!我がキムラスカ王国は平和条約に基づき、マルクト軍に対して軍事活動を起こしてはいませんのよ」
うーん、そう言う報告は行ってない筈なんだけど、やっぱりキムラスカの軍服を着ていたから違うとわかっていても疑ってしまうのかもしれない。街でその話を聞いたなら噂話の方が耳に入ったかもしれないな。
「な、ナタリア……落ち着いて……」
「ああ、やはりそうでしたか」
ちょっ!確かにそれが正しい台詞だけど、私が説明する手筈なのに……絶対に楽しんでる。ナタリアで遊んで楽しんでる。
「ジェイドさん。そのくらいにして下さい。ナタリア、私からインゴベルト陛下に説明するから取り次いでもらえる?」
「まあ!真咲ではありませんか!?」
やっとナタリアの視界に私が入ったようで、ジェイドから手を離しこちらを向く。
「まあまあ!どういうことですの!?」
「お、落ち着いてって」
なんかこういうやり取りすら懐かしくなってきた。たった一月なのに。
「その話をしたくて来たんだナタリア。非公式に陛下に取り次いでくれないか?」
「よろしいですわ。お父様のお部屋で詳しいお話を伺いましょう」
やっと落ち着いてくれたナタリアに通されて城の中へと入る。全てを話すと思うと自然に動悸は激しくなった。