6話 消せない傷痕
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ああ」
ガイはそうだなと言い、元いた位置に戻り横になる。しばらくすると寝息が聞こえてきた。ジェイドは膝の上で眠る真咲の黒髪を撫でる。数回撫でていると、
「…んっ」
真咲が声を上げる。
「(おや、起こしてしまいましたか?)」
そう思い真咲の髪から手を放すと、彼女は寝返りを打つ。真咲の顔が真上からジェイドの方に向く。けして美人とは言えないが、少々(?)幼く見える顔は憔悴して見えた。
ここに来てからずっと不安だったのだろう。泣き疲れて眠ってしまうほどに。皆と離れた場所に眠ってしまっていた真咲の様子を見に行けば、悪夢でも見ていたのか彼女はうなされていた。
飛び起きたときの彼女は今にも泣き出しそうに見えた。しかし、彼女はそれを耐えていた。人のことには気を使うのに、自分のこととなると我慢する。そんな真咲に何て言っていいか分からない感情が生まれた。
―――私には人の『死』が理解できない。人の心にも。
「今はゆっくり休んで下さい」
誰が聞いているわけでもない。眠る真咲に呟く。
―――せめて、この旅が終わるまでは守って差し上げましょう。