45話 終焉への始まり
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「あ、すみません。その……軍服の新しいのを、もらえたらなぁって……」
自分で返却しておいてなんだけど。この格好よりはいいでしょう。さっき幼いって言われたし、この姿をみんなに見られる前に着替えたい。
「ああ、そのうちな」
「はいぃ?」
両手を腰に当てて白い歯を見せて笑うピオニー。そんな彼にどうしてかと問えばあっさりこんな答えが返ってきた。
「その格好はなかなかいいぞ。それに心配を掛けた罰だ。ジェイドがいいって言うまでその服でいろ」
新しい軍服もジェイドに預けておく。と満足げに言うピオニー。
「いやいやいや!さすがにそれは恥ずかしいです!」
「だから罰なんだろ?」
そうなんだけど。そっとジェイドとフリングス将軍に目を向ければ二人とも同じ様に満足げに笑みを浮かべている。た、楽しんでる。みんなして楽しんでる。そりゃあ、心配掛けた私が悪いんだけどさ。
「可愛いですよ」
「……嬉しくないです」
しばらくこれで遊ばれるのか。て言うか……まさか、この姿で旅に出ることになるとか!?いやいや有り得ないでしょ?ああ、ジェイドならやりかねない。鬱になりそう。
「それでは私はケセドニアの方は戻ります」
事後処理もありますし、とフリングス将軍は一礼して去っていった。
「これで一安心ですか?」
「……と思いますか?」
逆に質問すれば、ジェイドとピオニーは顔を合わせて目を閉じた。ケセドニアでマルクト軍が襲われた理由なんて一つしかないんだから。私が、あんな事をしたから確信付いたはず。
「次からは一言言って下さい」
理由はいいですから。そう言われ後ろめたい私としてはただ頷くしか出来なかった。
「失礼します!陛下への謁見の申し出があります」
入ってきた兵士に誰だと問えは、たった一月ぶりなのに懐かしい名前。私たちは顔を見合わせ、ピオニーは連れてこいとだけ言った。