6話 消せない傷痕
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「恋人――からの贈り物か?」
ガイの言葉にジェイドは目を見開いた。考えもしてみなかった。真咲にだって家族や友人、恋人だっているはずだ、ということを。
「そう、ですね。彼女にも家族やそういう人がいてもおかしくはないですね」
視線を真咲の指輪に向けたまま言えば、ガイもハッとする。
「家族や友人、恋人と離れ離れになって、こんな事に巻き込まれっ…おっと」
ガイはしまったと言った表情をして、口元を手で覆う。
「(気にすることもないでしょうに)」
ガイは癖なのか頭の後ろを掻きながら、すまないと謝る。
「構いませんよ。私が巻き込んだようなものですから」
表情を隠すように眼鏡に手を置く。
「チーグルの森で助けたことがきっかけとは言え、そのまま連れてきたのは私です。大詠師派の妨害を想定していなかった訳ではないですが、タルタロスを襲撃してくるとは考えなかったのは私の責任だ」
「まぁ、そう言いなさんな。誰もあんたの責任だなんて言わないさ」
自身の失態を悔いるジェイドに慰めるかのように言うガイ。
「ただ、彼女の年齢くらいならまだ家族が恋しいかもな」
規則正しく呼吸をして眠る、真咲に微笑みながら言う。ジェイドは思わず、ガイの言葉に絶句してしまった。
「……ルークならまだしも、ティアや真咲はもう親離れしているでしょう」
「今の間はなんなんだ――?」
真咲の実年齢を知っているのは自分の他はイオンとアニスだけだ。さすがに女性の年齢を本人の許可なく人に教える訳にはいかない、と考えた後、
「気のせいですよ。さぁ、ガイも休んで下さい。私が見張りをしている意味がありません」
ジェイドはしれっとにっこり微笑んで返す。