44話 誰が為に鐘は鳴る?
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「あなたという人は……どれだけ心配したかわかりますか?」
泣きそうにも見える顔に私は、ごめんなさい。としか言えなかった。私の我が儘だから、それで軽蔑されるなら仕方ない。
「……どうしても譲れなかったから」
どんなに懇願しても止められるとわかっていた。他の場所ならともかく、地核に飛び込むなんて事を許してくれるとは思ってなかったから。それに、ヴァンのことも言うわけにはいかなかった。私は『預言』になるつもりはない。だから知っている未来は誰にも言いたくない。
「少将があなたを連れていたときも驚きましたがね」
苦笑いを浮かべ、私を手を離す。彼の手を借りて上半身を起こす。
「すみません」
聞くところによると疲労で倒れたらしい。いつの間にか怪我もしていたらしいけど、それは治癒術士が治してくれたとか。
「あとでゆっくりと話を聞きますよ」
「……はい」
グランコクマに戻ってきてしまった以上は仕方ない。どうせ監視されていて逃げられないのだから。まあ、うん……会えたのは嬉しいけどね。
「しかし……」
口元に手を当て、ふむっと私をジッと見るジェイド。見つめられてなんだか恥ずかしいのだけど、どうしたのだろうと首を傾げる。何か変なところでもあるのだろうか。
「そう言う服ですとより幼く見えますね。可愛いですけど」
「……それ、絶対に褒めてませんよね」
そういうのを私が嫌いなのを知っていて言うのだから質が悪い。まあ、否定は出来ないけど……後の可愛いという言葉には少なからず反応してしまう。
「……素直に喜べないのにぃ」
可愛いは褒め言葉。でも二十も半ば過ぎた女が可愛いで喜んでいいのか考え物だ。かと言って綺麗というのはティアやナタリア、ネフリーのほうがはまってるし。考えた分、虚しくなってきた。