44話 誰が為に鐘は鳴る?
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「真咲さ……」
「私のことより、早くを態勢を整えて下さい!」
さすがはフリングス将軍。あっさりと気付かれてしまった。けど、今は私なんかに構ってる場合じゃない。それに気付いたのか、物言いたげな顔をしたけど、お願いしますと言って後退する。そして兵士たちに何か指示する声が聞こえた。
「――冷たき風よ、目の前に迫りし物を凍らせよ!凍てつく吹雪よ、吹き荒れろ!」
さっきは譜術を使ったけど今度は魔術で対応する。先日使い始めたばかりの譜術だからまだ大して使えない。私の術で近づいてくるレプリカたちはどんどん凍っていき足を止める。第五音素を使って自爆されたら困る。この距離で爆発に巻き込まれたらただでは済まない。
「――っ!数が多い!」
何度も魔術と譜術を使って何十体ものレプリカを倒していく。第五音素を使って自爆してくることを知ってたフリングス将軍たちもなるべく譜術を駆使し、逃したレプリカは確実に一発で仕留める。同じ命だけど、ここで彼らの思い通りになるわけには行かない。
「荒れ狂流れよ!スプラッシュ!」
もう何度使ったか、何時間経ったのかわからない。杖を持つ手の感覚もわからなくなってきた。
「フリングス将軍!先ほどので終わりです!」
「油断するな!慎重に確認しろ!」
報告にやってきた兵士にそう命じ、その兵士は敬礼してその場を去っていった。そして彼は私の方へと向き直る。
「真咲さん」
私の前まで来て立ち止まり、小さく笑みを浮かべた。どう反応していいのかわからないという感じで。
「……お久しぶり、です……」
軽く頭を下げる。少し間を置き、頭を上げると同時に視界が歪んだ。フリングス将軍が何か叫んだけどそれは私の耳には届かず、私の意識は飛んだ。