44話 誰が為に鐘は鳴る?
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「そろそろ、なのかな」
街の外に並ぶマルクト兵を物陰から見る。ケセドニアに来て約半月、時期的にもそろそろで間違いないはず。マルクト兵もここに駐屯し始めてだいぶ経つし。因みに服は着替えた。あの服だとマルクト兵に見えなくもないのと、もしかしたら私だとわかってしまうかも知れないから。
「……どこから来るのかな……」
被っている帽子を少し深くする。淡い青の大きめの帽子と肩が出るローブ。紺のシャツに似た色のショートパンツとロングブーツ。前と大分違う服装を身に纏ったせいか、ただ私に興味ないだけか誰も見向きもしない。
「フリングス将軍……」
列の先頭に立って何かを言っているフリングス将軍の姿が見えた。証拠があるわけでもないのに、今日で間違いないと確信した。一度外していた視線を戻すと、整列するマルクト兵の奥の方に赤い服を纏った人影が。
「な、何事だ!?」
突如鳴り響いた爆発音。兵士たちは虚を突かれ慌て出す。フリングス将軍も、何があった!?と状況報告を促す。が、何が起きたのかわかってない彼らはただあたふたするのみ。
「危ないっ!」
狼狽えるフリングス将軍の側に近寄るレプリカ兵。私は咄嗟に前へと飛び出し防御譜陣を展開する。ケセドニアに来てから練習してたとは言え実践で成功するかは微妙だった。けど、タイミングはばっちりだったのか第五音素を使った自爆に巻き込まれることなかった。
「……あ、あなたは」
飛び出した私を見て目を見開くフリングス将軍。とりあえず、深く被った帽子で顔は見られないようにする。
「荒れ狂流れよ――スプラッシュ!」
すぐさま詠唱に入り、わらわらと近寄ってくるレプリカ兵たちに攻撃をする。ここを食い止めなくては私の使用としたことが全て水の泡になってしまう。