44話 誰が為に鐘は鳴る?
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「成功……したのか?」
光が全て消え去るのを待っていたかのようにアッシュが口を開いた。その表情は少し硬い。
「たぶんね」
杖は消し、アッシュの方へと体ごと向ける。離れたところに立っていたアッシュはこちらへと近寄ってくる。
「あとはベルケンドで調べてもらうよ」
元々行く予定があったしね。と言えば、表情を変えた。どういうことだ?と物語っている。
「……内容は違うけど、ローレライの声を聞いた気がしたの」
アクゼリュスから地核へ降りた時みたいに。あの時、ローレライはティアの体を借りて私に言葉を残した。今回は……彼の体に取り込まれた際に発したのだろう。以前同様にそれで体調変化があるのかを知りたい。
「ヴァンの妹を助けて何か変わるのか?」
未来を知りたくないって言ったわりには聞いてくる。私が危険は全くないと確信を得ないまま魔術で瘴気を消した。そこまでして試す価値の有無を知りたいんだろう。
「少なくても私にとっては必要なことだよ。私はもう決めたんだから」
私自身が預言になる気はない。だから知っていることは話すつもりはない。けど傍観者でいるつもりもない。たとえエゴと言われようが、この意志を変える気は全くない。
「悪いようにはしないよ」
これが今後どう影響してくるのかはわからない。だからと言って見過ごすは嫌だから。
「今度ルークたちに会ったら、全部話すんだ」
私がこの結末をしていること。私の世界ではこの世界のことはゲームとして存在してること。きっと軽蔑される。一緒にいられなくなっても、私は止まるつもりはないのだから。
「好きにしろ」
それだけ言ってアッシュは集会所へと戻った。その背中に小さな声で、ありがとう。と呟いて私もその後を追った。