44話 誰が為に鐘は鳴る?
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「よっし!ご飯も食べたし、やってみるかな」
片付けも終わらせ、みんなが一息吐く中、私一人立ち上がる。まあ、みんなの視線は集まるわけで。
「やるって、何をですか?」
みんなの言葉を代表するように疑問の声を掛けたのはノエル。アッシュに至っては睨みつけられてるようにしか見えない。
「もし成功したら、彼女を助けられるの」
だからちょっと外に行ってくるね、とドアノブに手を伸ばす。と、誰かにその手を捕まれた。
「さっき言ったよな。無理はしないと?」
なのに成功したらはなんだ?と睨まれました。十歳近く年下の子に睨まれました。怖いです。
「え、あ……うん。理論的には出来るはずなんだ……」
「何をだ」
声音まで低くなってるし。ジェイドと違った意味で怖い。
「体内の……瘴気を魔術で消すというか、飛ばせないかなって……」
移動方陣を体内の瘴気だけどこかに飛ばせないかとふと思いついた。私の術は私の言葉を具象化する。もしかしたら消すことも出来るかも知れない。ただ世界中とかは広すぎて無理だろうけど、体内ならもしくは。それならば、私より酷い彼女を助けられるって。
「出来るのか」
「だから理論的にはね」
ルーチェが言うには私は死なない。乖離してだけかも知れない。けどそうじゃないかも知れない。きっと彼女なら前もって止めてそうだし。
「何とか成るって」
何もしないままよりはいい。外へ出て杖を召喚する。心配なのかアッシュも出てきている。
「我が身を冒す毒よ 我より離れて消えよ――我が名は真咲 千里の力を継ぐ者なり!」
杖を振るい、体内から瘴気が消えるイメージを浮かべる。言葉が私の力になる。青白い光が私を包む。光が消える度に体が浄化されていくような気がする。成功……と思っていいはずだ。