43話 手を取る未来の為に
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「……っ」
どれくらい落ちただろう。ヴァンが落ちてからそんなに間を置かずに私も飛び降りたのに、探している姿は見つからない。
「どこなの?」
アブソーブゲートで落下した時みたいに、風を纏って一気に落下しないようにしている。それがいけないのか、ヴァンの姿はない。彼が、ローレライを取り込むのを止めるために飛び込んだのに見当たらない。
「……いない」
焦る。こんなつもりじゃなかったと言えば、ただ甘かった。言い訳にもならないけど、こればかりはやってみなきゃわからなかったから、正直失敗する可能性も高かった。みんなの顔が浮かんで、胸が苦しくなる。最後に浮かぶのは、
「……ジェイド」
彼にも最後まで内緒にしていて、ただ必ず戻るとだけ言って飛び降りた。少し悲しそうな表情が忘れられない。だって、言ったら止められるもん。これだけは、シナリオとかそんなのを忘れて私の意志でやると決めた。言って止められて、抱きしめられたりでもしたら、きっと揺らいでいた。それが怖かったから、決意の夜も言わずに黙っていた。
「帰るんだ!」
絶対に。ヴァンを止めて、みんなのジェイドの元に帰る。それだけを願って辺りを見回す。
「いたっ!」
もう少し下の方に光が見えた。そこにいたのは、ヴァンと、シンク。遅かった?シンクもいるということはもうローレライを取り込んだ後と言うこと?
「くっ!」
上手く行けばまだ間に合うかも知れない。せめて、せめて何か一つ変えられれば、違う未来になるかも知れない。
「ヴァンっ!」
出来るか出来ないかなんて考えないやるだけ。杖を構え、ヴァンの中からローレライを外へと転移させようと試みる。術の詠唱を始めようとしたときだった。何か、強い衝撃を受けたのは。