6話 消せない傷痕
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「あなたには今日一日でいろいろありすぎました。だから――泣いていいんですよ」
感情を出したくない。見せたくはない。下唇を噛んで我慢をする。その言葉を聞いた瞬間、我慢していた全てのものが消え去った。たがが外れたように瞳からは涙が溢れ出た。いきなりゲームの世界にトリップして、みんなと出会って、不思議な力を手に入れて―――そして、人を殺してしまった。
「うぅっ、うっ―っ」
声を押し殺して泣く。大声で泣きたかったけど、眠っているみんなが起きてしまうから。泣き顔は見られたくなかったが、そんなこと考えてられなかった。ジェイドは私の体を抱き寄せた。左手で肩を抱き、右手で頭を撫でる。
温かい―――。
我慢の限界だった私はそのまま、彼の背に両手を回した。彼の胸に涙でぐしゃぐしゃの顔を押し付ける。
「こわ、かった。ずっと…こ、こわか、ったの」
泣いているから上手く喋れない。でも、止まらない。
「だ、だれも…みか、たがいな、いって思って。ひ、人を―殺しちゃって」
それ以上言葉は出なかった。それでも、ジェイドは私の頭を黙って撫でている。そう、怖かった。世界に私一人しか居ないみたいで。撫で続けているジェイドの手がもう、心配ないと言っているみたいだった。
泣き疲れてしまった真咲はジェイドに抱きついたまま眠ってしまった。ジェイドは真咲を横抱きにして、彼女が寄りかかっていた木に寄りかかって座る。そのまま、真咲の頭を自身の膝に乗せて寝かせる。寝顔を覗けば、閉じられた瞳からはまだ涙が出ていた。相当、精神的に参っていたのだろう。