43話 手を取る未来の為に
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「失敗作に、倒されるとはな……ふふふ、ふははは」
剣に支えられたまま、自嘲気味に笑い出すヴァン。倒れない彼にみんなも警戒し、武器は手にしたまま。
「ふははははは、はっはっは……面白いではないか」
剣から手を離し、よろめきながら後ずさる。ヴァンの背後に壁はない。地核への断崖になっている。その姿を見つめていればヴァンは笑いながら背中から地核へと落ちていたった。
「ティア……」
ヴァンの剣を見つめるティアにガイが声をかけようとするがそれをナタリアが止める。私とルーク、ティア以外が踵を返しこの場を去る。ルークがティアの肩に手を置き、表情で促す。二人も来た道を戻る中、私は動かない。
「真咲?」
それをおかしいと思った二人は振り返る。ヴァンの剣を一瞥した後、私はルークとティアを見る。
「ルーク、ごめん。私……行くね?」
「え……どこに……?」
ゆっくりとヴァンの落ちていった方へと歩き出す。何をするのだと、声を上げるティアに微笑む。
「私にはやらなきゃ行けないことがあるの……だから……」
そこまで言い掛けると先に行っていたはずのジェイドたちも戻ってくる。私たちが後を追って来ないからだろうけど。
「真咲?」
「ごめんなさい。でも、必ず戻ってくるから」
意味がわからない。そんな風にみんなが私の名前を呼ぶ。ジェイドも一歩二歩とこちらへと近付く。止められる前に、と杖をしっかりと握りしめ地核を見下ろす。
「行ってきます!」
「真咲!?」
首だけみんなへと向け今見せられる精一杯の笑顔を浮かべて、地核へと飛び降りた。私の名を呼ぶ声や悲鳴が聞こえた。これが、私の決めたこと。このままで終わらせない……いや、これ以上のことをさせないために、私が決めたこと。