43話 手を取る未来の為に
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「兄さんはレプリカの世界を作ろうとしているんでしょ?なら私を殺して、私のレプリカを作ればいいわ」
世界に生きる全てをレプリカへと変えようとする兄とそれを阻止しようとする妹。体を瘴気に冒されながら、その理由は逆で。どこで互いの生きる道を違えたのか。
「……おまえも同じか、真咲」
背を向けたまま、私にも話を振るヴァン。鍵盤を、一つ二つと鳴らす。
「……預言は、無いに越したことはない。寧ろ、必要ないと思う」
占いとは違う。占いより度が外れてる。ちょっと当たればいいものとは違う。それしか頼れなくなる。そこに、間違いはない。
「……でもだからと言ってあなたに世界を滅ぼす権利はない」
変えたいのなら他に方法があるはず。極端な方法過ぎる。
「世界を壊すしか出来ない臆病者に手を貸す気なんて微塵もない」
何故手を取り合うやり方を選ばない。出来ないと決めつけて、やりもしない。
「……では、どうあっても私と戦うか」
ゆっくりと私たちへと振り返る。相成れないなんてわかっていたこと。こうするしか、ない。
「……ええ。元々私はその為に外殻へ来たんだもの」
「師匠……――いや……ヴァン!あなたが俺を認めなくても、俺は……」
揺れていた瞳にもう迷いはない。ずっと、認めて欲しかった。でもそれは叶わぬ願いだった。意を決し、腰の剣を一気に引き抜く。ティアも杖を構える。
「俺だ!」
「戯れ言を」
駆け出すルーク。ヴァンもゆっくりと剣を抜く。近寄るルークへとその刃先を向ける。
「消えろ!」
それを合図に一斉に武器を構え戦闘態勢へとはいる。散開し、ヴァンを囲むように立つ。ルークとヴァンの剣がぶつかる。戦いの火蓋が切られた。