43話 手を取る未来の為に
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「……何故おまえがここにいる?」
オルガンの音。こちらに背を向けているヴァンが弾いている。私たちが近付くと、ヴァンは演奏を止める。
「ここに来るのは私と共に秩序を生み出すべきアッシュ……」
ゆっくりと立ち上がり、私たちを……ううん。ルークを睨みつける。睨みつけられているだけでこの威圧感。さすがは神託の盾騎士団の主席総長。
「ルーク・被験者だ。私の邪魔をするなレプリカ風情が」
レプリカ。改めて、彼にとって特別だったヴァンに言われます顔を歪めるルーク。
「……っ!だったら……だったらなんで俺を作った!俺は誰で、何のために生まれたっていうんだ!」
ずっと、ずっと思っていたのだろう。本当は、ずっと声に出して、問いかけたかったんだ。一個人としてみんなが接していても、道具と言われても、実際にルークを生み出したヴァン本人から聞きたかったのだろう。けど、当のヴァンの目は冷ややかなものだった。
「何かの為に生まれなければ生きられないのというのか?だからおまえは、ただのレプリカでしかないのだ」
哀れなレプリカに教えてやろう。おまえはユリアの預言を覆す捨てゴマとして生まれた代用品。ただ、それだけだ。淡々と、冷たい言葉をルークへと投げつける。出来るものなら思いっきりブン殴ってやりたい。
「……師匠。本当に俺はそれだけの存在なんですか?俺という存在のせいで、預言は狂い始めてるんでしょう?」
「おまえ如き歪みなど、ユリアの預言はものともせぬよ。枝葉が変わろうと、樹の本質は変わらぬ」
ヴァンの本心が知りたい。ただそれだけなのかもしれない。最後に、本当のことが知りたい。最後の戦いの前だから。今は黙って見守らなきゃ。彼の成長を。あれからどう変わったのか、見守んなきゃ。