43話 手を取る未来の為に
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「アブソーブゲートのセフィロトに向けて、第七音素を照射します。これが降下開始の合図です」
ただしこれは命令者――つまり、ルークの放出する第七音素でなくてはならない。ジェイドがスッと目を細めてルークを見る。ルークも頷いて、ここまで来て、できないなんて言えない。
「では、そろそろ行きましょうか。準備はよろしいですか?」
「俺なら大丈夫。みんなは?」
ぐるりと一同を見回す。
「もちろんよ。兄さんは……ヴァンは私が止める」
「これでも一応、ヴァンの元主人だからな。部下の不始末には、ご主人様がけりをつけるさ」
ヴァンに最も近かった二人。
「なんとしてもヴァンの企みを押しとどめて、世界を救いますわ」
「私がお金持ちと結婚するためにも、ヴァン総長には大人しくしてもらわないと」
各々の思いを持って。
「私は……借りがあるから。ディスト同様、この杖で殴んなきゃ気が済まないよ」
私とて同じ。譲れないものがある。
「やー。みなさん、熱いですねぇ」
「あんたはいつも通りだなー」
「ええ。私に熱いのは似合いませんから……ですが」
ちらりと私の方を見る。何か笑みを浮かべてるけど。わ、私何かしたっけ?
「真咲を傷つけた報いは受けてもらいましょう」
「ふへ?」
一人目をパチパチさせて、開いた口も塞がらないでいると、ルークたちも頷いて顔を見合わせる。えっと、うんと、そこは喜ぶ、所なのかな。
「そりゃそうだ……よし、行くぞ!」
私なんかの為になんていいのかな。でもそれだけじゃない。ルークの掛け声で私たちは奥へと歩き出す。もうすぐ、もうすぐだ。この後……私は、動くだろう。それでみんなを悲しませたり怒らせたりしたとしても。それでもと、真っ直ぐ前を見据えて足を進めた。