43話 手を取る未来の為に
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「着地は風の術でして、魔物は一人じゃ無理と判断して逃げてました!」
だから怪我はしてません!と力強く断言して、信じてもらえたと言うよりは、良しとしましょう。と言う反応だった。そこまで都合がいいと怪しまれるものなのかな。なら身体検査しますか?なんて、勢い任せに言ったら喜ばれるから止めよう。
「私のことはともかく、先を急ぎませんか?」
他のみんなは合流してるかもしれませんよ?と促せばそれもそうだと、ジェイドとアニスが顔を合わせる。
「それもそうですね」
「急ご急ご!」
そこまであっさり覆されるともの凄く悔しく感じるのはどうしてだろう。まあ私が言いだしたんだからいいんだけど。この二人との合流が一番嫌だったかも。怪我をしたとしても大したことはないと思ってたから心配はしてなかったけど。
「ま、いいけど」
「何がです?」
いえいえ、お気になさらずに。と歩き始める。今は、こういう雰囲気も味わっておかないと。少しの間、それも感じられないし。
「他のみんなはどうしてますか?」
一人テケテケと先を歩くアニスを見たまま、小声で聞いてくる。全く心配をしていないという訳じゃないんだね。
「ルークはティアと、ナタリアはガイと一緒です」
それぞれが仕掛けを解いて進んでるはずです。そう伝えれば、ジェイドは目を閉じ小さく安堵の息を吐いた。
「変わりましたね」
「あなたのおかげですよ」
アニスが前を向いているのをいいことにか、触れる程度だけどこめかみの辺りにキスを落とす。こういうのが半日常になってるけど、なんか慣れなくてそれだけなのにまだ顔が熱くなる。
「私の力じゃないですよ。この旅がみんなを変えたんです」
私を込みで。笑ってみせれば、そうですねっと笑って返してくれた。先を行くアニスが、早く早くと手招く。行きましょう、とアニスの元へと駆けだした。