43話 手を取る未来の為に
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「真咲っ!」
誰かと合流できることを願いながら先を進めば、前方から私を呼ぶ声がした。疲れ始めたせいか、俯きかけた顔を上げた。
「アニスっ!」
見つけた姿に足を早める。駆け寄ってくる小さな体を抱き留め、そのまま背中に手を回す。確かに温もりを感じ、はぁぁっと長い、安堵の息を吐く。
「無事だったのですね」
「ジェイドさん」
アニスの後ろから近づいてくるその姿にも安堵する。アニスがいるのだから彼もいるのはあたりまえなんだけど。
「見事に癒しの術が使えない三人が揃いましたね」
「そう言えば、あなたは怪我は?」
第七音素の使えない私たちが揃った。あはははっと笑うと、逆に質問される。ああ、それですか。と答えれば、アニスも私も知りたーい、と手を挙げる。
「ないですよ」
「嘘だぁ。私は元より、大佐ですら怪我したのにぃ!」
怪我?ジェイドへと視線を向けると、肩を少し打っただけです。と返す。
「アニスは?」
「額をうってたんこぶが出来ました」
「大佐!言わないで下さいよぅ!」
怪我は道具で治しましたけどね、っと。元よりって言うくらいだからアニスも怪我をしたんだろうと、訊ねれば答えたのジェイドだった。答えられたことを不服に思ったアニスは頬を思い切り膨らませて怒る。けどジェイドはまだ笑うだけ。
「アニスではありませんが、真咲。本当にあなたは怪我をしなかったのですか?」
信用ない……ああ、これこそ元よりか。私の大丈夫は信用されてなかったっけ。自分が蒔いた種なんだから仕方ないか。
「魔術で着地したんです」
風を使って、着地しました。と正直に話したのに、信じられないって顔された。うーん、ここまで信用されてないっていうのもなぁ。