43話 手を取る未来の為に
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「アルビオールの修理は完了したそうですよ」
ノエルは先に港で待っています、とイオン。昨日、ロニール雪山で無理をさせてしまい体調を崩したが、見送るために出てきてくれたのだろう。
「イオン様、体のほうはどうですか?」
「はい。もう大丈夫……と言いたいところですが、たぶんご一緒しては迷惑がかかると思います」
一晩休んで、少しは回復したのだろうけど、今まで無理した分を入れたらまだ休んでいた方がいい。しかも行く場所が行く場所なだけに無理して行く場所ではない。イオンはここで私たちの帰りを待つ、全ての決着はアニスに見届けてもらうと。そう言うとアニスは、わかりましたっ!と元気良く返事をした。
「では、いよいよですね。ルーク、準備はいいですか?」
「ああ、みんなもいいか?」
ジェイドが声を掛けると、しっかりと頷くルーク。そして確認するようにみんなを見回す。
「ばっちり。イオン様の代わりに、総長の計画を止めちゃうモンね」
「……そうね。たとえ命を奪うことになっても」
それしか方法がないのなら、覚悟を決める。ティアの目はそう物語っていた。それで本当にいいのかと問うナタリア。ティアは目を伏せて、ええと答えた。
「ティアがそこまで決心したなら、俺たちも覚悟を決めるしかないよな」
「絶対に、止めなきゃ」
一同の決心を聞いて、ルークはもう一度頷いた。ここまで来たら誰も引き返すことはない。いいや、引き返す事なんて出来ない。世界の命運は私たちに掛かっていると言っても過言ではない。
「アブソーブゲートからの逆流を止めて、外殻大地を降下させる……師匠と戦うことになっても!」
「ミュウも頑張るですの」
自分の決意を言葉にするルーク。一番小さな仲間であるミュウも短い手を挙げる。
「ははっ。頼むぜミュウ……みんなも、頼む。行こう!アブソーブゲートへ!」
ルークの掛け声に、全員同時に頷き、ノエルの待つ港へと向かう。これが最後の戦いだと、願って。