42話 雪原で示す己が道
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「紹介の手間が省けていいじゃないですか」
「いえ、その……私なんかでいいのかなって」
改めて思ってしまう。特別美人でもスタイルが良いわけでもない。寧ろ中の下だろう……評価したって。残念がられるのがすごく怖い。相手も見掛けも中身も平凡なら気にはしないんだろうけど。性格以外は完璧な男性が私の恋人でいいのかって常々思ってしまう。
「私はあなたがいいんです」
こういうことをサラリと言える男性ってそうはいないよね。あ、ガイとピオニーなら平気で言いそう。マルクトの特性なのかと思ってしまう。
「見た目も中身もそうですが、真咲、あなただから好きになったんですよ」
照れる。面と向かって言われると本当に照れる。でも、その言葉に嘘はないのはわかる。素直に嬉しい。
「私も、一緒に接するようになって、ちゃんと好きになったんですよ」
ただ画面越しで、このキャラが好きとは違う。同じ人として接する度に違う一面が見えて感じて、胸の奥が熱くなって、愛しい気持ちが募っていく。離れたくないって、側にいて欲しいと欲張ってしまう。
「これを受け取って貰えますか?」
差し出された小さな包み。綺麗に包装された、手のひらに乗る包み。受け取ってジェイドを見れば、開けて下さい。と微笑まれる。ちょっとドキドキして包みを解いて中の箱を開ければ、青い宝石がついた指輪だった。
「ブルーサファイアです」
意味は慈愛や誠実です。あなたにぴったりな言葉です。とその指輪を私の左手の薬指に填めた。けど、
「大きいです」
「……そのようです」
逆様にすると、すこーんっと抜けてしまいそうなくらい緩かった。もの凄い心からの感動は一瞬にして冷めてしまい、妙な空気が流れる。左手の薬指に指輪を填めてもらったら感激して泣くところだよね?はははっ、と乾いた笑いだけしか出なかった。