6話 消せない傷痕
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「心配してくれてありがとう、ルーク」
ルークは本当は優しい。表に出すのが下手なだけだ。なんだかんだまだ怪我して人を殺してしまった私の心配をしにきてくれるんだから、優しい。
「お、俺は別に…ほんと、悪かった」
頬を少し赤らめ、そう言ってルークはガイの所に戻っていった。私はその後姿を見送る。
「…~っ」
いろいろありすぎて疲れたのか、急な眠気に出た欠伸をかみ殺す。よく考えたら、私は一日仕事をして夕方に変える途中で事故に合い、この世界にやってきた。もう一日以上活動しているのだ。緊張が解けて、疲れた体は睡魔に負けて、そのまま意識はなくなった。
真っ暗な世界。そこに私は立っていた。眼下には倒れているオラクル兵…さっき私が『殺した』。私の全身には死んだオラクル兵の返り血が飛び散っていた。
―――殺した、殺した、殺した。
それだけが頭の中を繰り返す。それが事実。私は人を殺してしまったのだ。
現実を受け入れたくなくて、目を思い切り瞑る。次に目を開ければ、急に目の前が朱色の世界になっていた。気づけば、私は倒れている。おびただしい血溜まりの中で……
ふと、視線を上げればそこに人が居る。一人…いや、二人?一人は私を見下ろし、もう一人は両膝をついている。それが誰かは分からない。私を見下ろしている人は怖いと思った。理由なんかは分からない。ただ、怖いと。その人物は手にしていた剣を振り上げた。何かを呟いているが聞こえない。振り上げられていた剣が振り下ろされた瞬間、その人物は笑った。口角を上げて、笑っていた。そして、また私の意識は途絶えた。