42話 雪原で示す己が道
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「霧島少佐ですね?」
「……はい?」
ホテルのフロントで部屋の鍵をもらおうと声を掛けると第一声はそれだった。なんでわかるんだろうと思ったけど、軍服着てるんだからわかってもおかしくはない。お手紙をお預かりしています、と一通の手紙を受け取る。裏を見ればそこには、ネフリーと書かれていた。
「ネフリーさん?」
なぜ彼女が?よくわからず、中を見ると自分を訪ねて欲しいという内容だった。もしホテルに行かなかったらわからない、という疑問は一瞬で消えた。アルビオールが動かないのを知っているのだから。
「ありがとうございます」
礼を述べて再び外へ出る。何の用だろう。呼び出されるようなことをしたっけ、と寒さで止まりそうになる思考を働かせる。そもそも彼女とはまともに話などしたことはないのに。
「あー、真咲」
急な大きな声に顔を上げるとツインテールを揺らしながらこちらへと走ってくるアニスの姿が見えた。イオンを送り届けた帰りなのだろう。
「どうしたの?」
「ネフリーさんに呼ばれて、これから伺うところだよ」
ネフリーからの手紙をひらひらさせると、へぇ~と大きな目をパチパチさせた。
「そんな格好じゃ風邪引くよ」
肩を出したアニスの服は見てて寒い。腕はともかく足も出しているし。子供は風の子と言っても見てるこっちは寒々しい。荷物からストールを出して肩から掛けてやる。アニスの小さな体ではストールを巻くと言うよりはケープみたいになってしまう。
「真咲はいいの?」
「ここからなら直ぐだしね」
そこの角を曲がればネフリーの家。それもそっか。じゃあ借りていくね、と元気に手を振りながらアニスは走っていく。本当に元気だな。その若さを分けて欲しいとか思う時点で自分を年だと認めてるんだよね。